「ゆうこう」は、キリシタンが伝えたのではないかともいわれている、長崎市にしか自生していない柑橘です。
食の世界遺産ともいわれる「味の箱舟」にも認定された幻の果物で、このゆうこうの搾りかすを餌にまぜて育てたのが「ゆうこうシマアジ」、「ゆうこう真鯛」です。
私たちも最初はどうなるかわからなかったんですが、食べさせてみると臭みが消え、余分な脂が落ちて身がしまり、生で食べたときの味が全く違ってたんですよね 。
これはイケると思いました。なかなか食べてくれなかったり、やりすぎて痩せてしまったり、試行錯誤を繰り返してやっとベストな配合とタイミングにたどりつきました。
あと、自分たちにとって海は食べさせてもらってる大事な場所なので、可能な限りのことをしようと思っています。
餌はドライペレットという海を汚しにくいものを使い、また、長期的に水質がよくなるといわれているカキの焼き殻を海にまいています。
少し養殖の裏話をすると、シマアジは病気にかかりやすいので、稚魚のうちにワクチンを打ちます。1匹1匹に、何万匹も...。
鯛は紫外線を浴びると色が黒くなってしまうんですよね。
養殖は天然よりも海面に近いところで育てるので、黒いシートをかぶせたり、出荷前には赤色をつけるための餌を与えたりします。
味は変わらないんですが、彩りも食の楽しみのひとつですからね。
まだまだ日本では天然がありがたがられていますが、養殖って実は年中おいしい魚を提供できるようすべてを管理しているので、もう自分たちは天然物は食べられんってくらい自信を持っています。
みなさんのお口に合いましたら嬉しいです。
株式会社 昌陽水産
代表取締役 長野 陽司
有限会社 雄昇水産
西元 崇博